日本脳神経外科学会認定専門医が、認知症およびその前段階である軽度認知障害(MCI)を早期に発見し対応することで、認知症への進行をできる限り防ぐよう、診察・治療いたします。
下記のような症状が現れた際は、ご相談ください。
ものの名前が思い出せない
人との約束を忘れたことがある
今日の日付や曜日、時間を間違えることがある
何かやろうとしても、まあいいかと思ってしまう
お財布などの大事なものを失くすようになった
慣れた道で迷うようになった
上記以外でも、ご家族の方が気付く症状もあります。
何度も同じことを言う
すぐ前の出来事を忘れる
物が失くなったと頻繁に言う
身だしなみを気にしなくなった
怒りっぽくなった
元気がなくぼんやりしている
その場にいない人やものが見えると言う
もの忘れ外来では、認知症の患者さんの早期診断と治療をめざしています。
認知症はできる限り早くみつけて早く対応することが大切です。
専門医でも難しいのは、認知症の初期段階で本当に軽度認知障害(MCI)であるかどうかの見極めです。
身近な方が、上記のような症状があるときには、一度専門医にご相談ください。
外来は火曜日の午前・午後に診療を行い、診察は完全予約制です。電話あるいは病院受付で必ず予約をして受診してください。
また初診時には診察前に検査がありますので、約1時間前にお越しください。
健常者と認知症患者の中間には、MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)という段階(グレーゾーン)があります。 MCIとは、認知機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態のことです。以下がMCIの定義になります。
MCIを放置すると、認知機能の低下が続きます。 MCIから認知症に症状が進展する人の割合は年平均で約10%であり、5年間で約40%の人は認知症へとステージが進行することになります。 65歳以上の4人に1人は、認知症やMCIと言われています。早期にMCIに気づき、対策を行うことで症状の進行を阻止することが非常に大切です。 MCIと診断されたら、食習慣を見直し、定期的な運動習慣、いろいろな人とコミュニケーションをとることで認知機能の改善や維持を図りましょう。
認知症の中で最多で、中年期以降に発症し加齢とともに増加します。 脳に老人斑という“しみ”が認められる事が特徴ですが、この“しみ”がアミロイドβ蛋白という物質です。 アミロイドβ蛋白が脳の神経細胞を破壊してしまうために、記憶障害などの認知機能低下を引き起こすと考えられています。 脳の記憶を司る海馬という部分や、言語を司る言語野という部分が傷害されやすく、そのため記憶障害や言語障害が初発症状となりやすいことが特徴です。 先日、このアミロイドβ蛋白を減少させ、アルツハイマー型認知症の悪化を抑制させる新薬が発表され、話題となっています。 当院では、アミロイドβ蛋白量、Aβ比の測定が可能となっています。予約制となっておりますので、ぜひお電話でご予約お願いします。
認知症の中ではアルツハイマー型認知症に次いで患者数が多いといわれています。 脳内に、α-Synuclein という物質が蓄積し、脳の神経細胞を破壊してしまう病気です。 パーキンソン病(手足のふるえや筋肉のこわばり、動作がゆっくりになるなどの症状がみられる病気)を合併することが多く、初発症状として幻視(見えないものが見える)や、パ−キンソン症状、注意障害が特徴です。
血管性認知症は、脳血管障害(脳卒中)によって起こる認知症のことをいいます。 脳卒中には、脳血管が詰まって起こる脳梗塞や、脳血管が破綻して生じる脳出血などがあります。 血管性認知症には、小さな梗塞や出血を繰り返す多発性の脳卒中(多発性脳梗塞)によって起こるものや、単発の脳梗塞であっても認知機能にとって重要な部位(戦略的部位)の障害によって起こるものなど、さまざまな種類があります。
脳の前頭葉と側頭葉が萎縮し、血流が低下することによって、様々な症状が引き起こされる病気です。 前頭葉は思考や感情の表現、判断をコントロールするため、人格や理性的な行動、社会性に大きく関ります。 一方側頭葉は、言葉の理解、聴覚、味覚のほか、記憶や感情をコントロールするため、前頭側頭型認知症の初期には物忘れや失語はあまりみられず、人格の変化や非常識な行動などが目立ちます。 そのため、精神疾患と診断されてしまう場合があるので、注意が必要です。